離婚を決意したはずが、スパダリ社長の独占愛によって離してはくれません!
私の、新婚生活はとても幸せなものだと思う。優しく、気遣ってくれる旦那様がいて本当に幸せ者だ。だけど――ほとんどの夫婦が経験しているはずの『夫婦の営み』というものがない。
最初は大切にしてくれてるんだとか、結婚の経緯が経緯だからかもって思っていたのだけど……結婚して半年も過ぎると、私の魅力がないからだと思うようになった。
とうとう、お義母様から『子どもはまだかしら』なんて言われるようになってしまったし……覚悟を決めて誘惑してみようと思い、私が着るようなタイプではない露出度高いルームウェアを買ってみたけど、ダメだった。
私は、南都さんは私には欲情すらしないんだなと悟った。
だが、不安な思いを抱えながらの生活を続けていたある日、一本の電話が入る。
『奥様、六條社長には好きな人がいます。なので離婚していただけませんか』
綺麗な女性の声。
あぁ、そうか……南都さんが私に手を出さないのは、好きな人がいるからなんだ。それなら仕方がない、かと腑に落ちた。