離婚を決意したはずが、スパダリ社長の独占愛によって離してはくれません!



 いつものように出迎えをして、ご飯かお風呂どっちにするか聞く。


「今日は、ご飯から食べたいな。お腹空いちゃって」

「わかりました。今日は、お昼は会食でしたっけ? あまり食べられなかったのですか?」

「あぁ、少ししか食べられなかった」

「何か軽食を取ればよろしかったのでは?」


 私は彼からジャケットを受け取りながらそう問いかける。


「そうしようと思ったんだけどね、変な時間に食べると光寿ちゃんのご飯が食べられなくなるかなぁって。光寿ちゃんの料理の方が美味しいし」

「……っ、あ、ありがとうございます」

「そういう照れてる顔も見られて俺は満足です」


 もう、本当にこの人は……こうやって不意打ちに甘いこと言ってドキドキさせるんだ。私の頭の中では離婚のことでいっぱいなはずなのに優しくされたら、決意が揺らいでしまう。

 


< 44 / 71 >

この作品をシェア

pagetop