離婚を決意したはずが、スパダリ社長の独占愛によって離してはくれません!



「少し痩せたな、光寿。かわいそうに……」

「ご迷惑をおかけして済みませんでした。大人として恥ずかしいです」

「迷惑だなんて思ってはいないよ。ただ心配はしていたけどね……話って何かな」


 お父様はそう言いながらお茶を淹れてくれてテーブルに置くと向かい合わせで座る。


「はい。以前に恋愛結婚をしたいとわがままを言ってしまったのにこんなふうになって申し訳なくて……私、お父様が決めた方と一緒になります」

「そうか、光寿がそうしたいと思ったのなら見繕おう。生涯、光寿だけを愛してくれる人を探してこよう」

「ふふ、お願いします。お父様、ありがとうございます」


 お父様は、私の願いに応えようとしてくださって翌週にはお見合いをセッティングしてくださった。早いんじゃないかと思ったけど、お父様なら大丈夫だろうと思ってお見合いすることを了承した。
 だが、お父様が出張しなくてはいけない事態が起きてお見合いそのものが延期になってしまった。



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