奈落の果てで、笑った君を。
「佐々木……ッ!!!」
「……ひじ、かた…、ふくちょう…」
「しっかりしろ…!!てめえはこんな場所でやられるようなタマじゃねえだろ!!立ちやがれ佐々木…!!」
「…ひじかた、副長…、我ら…、みまわりぐみ…は、しんせんぐみ……と、ともに、…あります、……たのむ、見廻組の…指揮を……、たのみ、ます…」
「…クソッ、───立ち止まるな見廻組!!剣を持てッ、てめえの誠を貫け…!!新撰組に続けーーーッ!!!」
咲いている。
この荒れた大地に、一輪の花が。
どんな暴風に吹き荒れようと、その花はまっすぐ空を見上げ、咲きつづける。
そこが晴れた空の下でなく、奈落の底にある海だとしても、彼女は咲きつづけることができる強い花。
『これは…お別れじゃないよね…?また、ぜったい、会えるよね……?』
君が望めば、私たちはどこへだって行こう。
形だけがすべてじゃない。
本物は目には見えないものなのです。
大丈夫、大丈夫だよ。
たとえ見えなくたって、聞こえなくたって。
私たちはずっと一緒にいるからね、朱花。
君が君の身体で良かった。
君にしか持っていないものは、なによりも誇るべき尊いものだ。