奈落の果てで、笑った君を。




なにが違うんだ、あんたらと。


朱花が1度でもあんたらに迷惑をかけたか。

朱花があんたらの大切な人間を殺しでもしたのか。


むしろこの子は70年も耐え抜いて、やっと、やっと自由に生きることを覚えたばかりなんだ。



「その娘は普通ではない!!化け物なのだ!!たとえ貴様が許したところで世の中が許さぬ……!!」


「なにが…世の中だ、……だったら…、だったらあんたらが思う“普通”を教えてくれよ……!!!」



こうして罪なき命に制裁を加えることが“普通”なのか?

こんな見世物のようなことをして、優越感に浸っているほうがよほど化け物じゃないのか。


理不尽な裁きを受けないために法はあるんじゃないのか。

平等な裁きを与えるために、法はあるんじゃないのか。



「黙れぃ!!!誰が口答えなど許した…!!!」


「ぐ…ッ!!」



できることなら、周りと同じ身体に生まれたかったはずだ。

そんなこと本人が何度も何度も思ったに決まっている。


俺だってそうだ。

できることなら、俺と同じ成長速度で生きて欲しい。


共に年老いていきたい。
お前だけを残して死んで行きたくはない。


だけど、そうではないからと言って、そこにしがみついていたって仕方ないだろう。



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