奈落の果てで、笑った君を。
温もりの飯
「なに、忽那が?あいつ女なんか連れ込んで一体どうするつもりなんだ」
「佐々木(ささき)さんが外出してるからっていいのかよ?というより、その女とやらは今どこに?おい早乃助(はやのすけ)」
「“俺が世話をします。なので急用でない限り俺の部屋には近づかないでください”、はいこれ伝言でーす」
ドタバタ、コソコソ。
あまり遠くない場所から聞こえてくる。
スパンッ───、
薄い何かが開けられたような音。
「…静かにしてもらえますか。用件があるなら手短にどうぞ」
「あっらあ、ごめんなさーい。ほら怒られちゃった。いや、俺たちも心配でさー」
「無用です。早乃助さんはさっさと巡察に行け」
「…はーい、行ってきまーす。ちなみに俺のほうが5歳も年上でーす。そして君は最年少でーす」
あ、静かになった……。
エド、キョウのミヤコ、しんせんぐみ、みまわりぐみ。
空の色をした羽織、クミチョウ、人を殺してしまえる棒、ちょうちん。
へーすけ、ニジョ、サンジョ。