くるくるキャンディー
私のブランドは“ALISA”。洋服は自分が着たいものを着たいから自分で作る。
『女の子は好きな洋服を着ている時の顔がいちばん輝いている。』それが私のポリシー。
1点1点洋服を作っては私が着てSNSにのせて、フアンの意見を聞く。人気があると生産して販売する。それを繰り返し続けている。だから在庫も持っていない。少し足りなくて文句が出るような状況が一番いい。
ブランドデビューして5年目の今年、ファッションショーの話がいきなり来た。このファッションショーは、大きな〇〇コレクションの中のSNS部門で、今SNSで人気のデザイナーを集めてのものだった。ファッションショーのテーマは『LOVE』。このテーマで皆が表現する。面白そうなので挑戦してみることに決めた。
私の服作りには二人の協力者がいる。一人は、河村 奈緒美、専門学校の同級生。私のデザインした服を私サイズにサンプルを作ってくれる。そしていつも私のグチを聞いてくれる なくてはならない人。
もう一人は、富田 弥生、専門学校の学際で偶然知り合った先輩、二つ年上の既婚者。SNS上で人気が出て販売が決まった服の正式なパターンを作り、生産ラインに乗せてくれるパタンナー件生産管理をやってくれる人。
そう、この二人は私にはなくてはならない人。
アリサは奈緒美にファッションショーの相談をした。
「ねー奈緒美~ファッションショーのことだけど、全体のイメージを考えてみたの。」
「どんな? 」
「女の子って、大好きな彼にかわいいって言われたいからおしゃれするよね。それが自分を輝やかせる。今回、男の子も使って、女の子の可愛さを表現したい。」
「よくわからない。どういうこと? 」
「だからさー、彼との待ち合わせで、彼を見つけた女の子がその彼のところに行く時って、ドキドキしたり頬を赤らめたり、満面の笑みを浮かべたりするでしょ。または、女の子が男の子に見つめられている時も同じ。LOVEだよ。LOVE! 考えただけでもドキドキしない? 」
「あんまりさ、ベタな恋愛したことないからわからないけど、あるんだろうね~そういうの。一度くらいやってみたかったわー。」
「まったく奈緒美ったら・・・今からでも出来るよ。幾つになっても恋は出来る。今回の服だって同世代用だよ。」
「アリサだって彼氏いないくせに良く言うよ。男の子、大丈夫なの? まーいいや・・・ラフ画よろしく! 」
「OK! 」