クールで一途な後輩くんと同居してみた
💛おかえりスイくん
いとこだか、はとこだか。親戚の男の子、スイくんは。
とても寡黙でクールなイケメンだ。
スイくんは年に一度、親戚一同が集まるお正月くらいでしかお目にかかれない。
だけどいつも隅っこでスマホをいじっていて話しかけづらい空気をまとっている。
同年代の親戚が彼しかいない私は、仲良くなりたいなと思いつつ……今まで何も距離が縮まっていないのが現状だった。
そんなときだ。
「緋織~。スイくんね、四月からあんたと同じ高校に通うらしいわよ」
「そうなの!?」
お母さんからこんな話が舞い込んできたのは。
「せっかくだからウチに住まないかって話になってるんだけど、緋織はどう思う?」
「さんせ~い! 賛成賛成! スイくんと一緒に暮らしたい!」
「まぁあんたならそう言うと思ってたわよ」
だって絶対楽しいよ! 毎日、修学旅行気分を味わえちゃうよ!
「だから今日から来ることになっています」
「今日から!?」
「言うの忘れてたわ」
あっけにとられていたら、ピンポーンと軽快なチャイムが鳴った。
まさかスイくん!?
お母さんの顔を見る。
「出てみなさいよ」
「はーい! 今出まーす!」
バタバタと廊下を走って、その勢いでドアを開けた。
そこにいたのは――
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