クールで一途な後輩くんと同居してみた
💛子供とか大人とか



 パチ、パチ。暗闇で飛び散る火花を目で追う。


 みんなでご飯を済ませた後、私達は縁側で花火楽しんでいた。


 スイくんと並んで座ってるんだけど……うまく顔が見られない。


 私、スイくんと、き、キスしたんだよ?


 スイくんが私のこと好きでいてくれたんだよ?


 思い出すたびに胸がきゅーっとなって顔が熱くなる。



「綺麗ですね……」

「う、うん……」

「緋織先輩も綺麗です」

「へっ!?」



 大きな声をあげたらスイくんがクスクス笑う。


 優しく笑う姿は何度も見てきたけど、これまでとは少し雰囲気が違う気がする。


 無邪気な感じというか。私と一緒にいて、喜んでくれてるんだって伝わってくるんだ。



「来年は浴衣が見たいんですけど、どうですか?」

「い、いいねっ……」



 だけど私の照れは継続中。


 目線が交わったらずらしてしまう。



「緋織先輩……? 今日も一緒に寝るんですけど、その調子で大丈夫ですか?」

「ひゃっ……」



 ポスンと肩に頭を乗せられた。


 そ、そうだっ……この後はお風呂に入って、いつも通り一緒の部屋で寝るんだ。


 しかも、ぴったりくっ付けたあの布団で!


 なんで今さらこんなに意識してるんだっていったら、スイくんが私を好きなんだって知ってしまったからにある。


 スイくんに好きになってもらう、から一気にひっくり返っちゃったから、どう振る舞っていいか混乱してるんだよ。


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