クールで一途な後輩くんと同居してみた
「ごめんなさい、緋織……」
「う、うん、とりあえずしぃちゃんと成世先輩の繋がりの謎が解けてよかったかなっ?」
しゅんとしているしぃちゃんを宥める。
でもまさかグルだったとは思わなかったな……。
「あの人は緋織の記事をお蔵入りにしたから道連れにしてやったのよ」
「それに関しては私のせいでもあるから、その、ね?」
「もう一回書けばいいじゃないって言ったら『もう旬が過ぎてるから無理やなぁ』って。何よ、緋織に旬なんてないわよ!」
「落ち着いて落ち着いて……」
「でもコマとしては使えるからそれはそれで気に入っているわ」
「あぁお……」
何がどうなってるの。
もうわけがわからない。
大ちゃんに至っては聞く気もないのか、この会話の間にデザートを注文して平らげていた。
「……というわけなのよ」
「うん、うん。そうだったんだね」
相槌で穏やかさを演出するしかないね。
「許してくれる……?」
「うん、全然許すよ……?」
しぃちゃんにイタズラ好きな側面があるのは知ってたし。
スイくんと想いが通じ合ったのも、どこかでしぃちゃんのおかげなところがあるかもしれない。