クールで一途な後輩くんと同居してみた
ふ~、お腹いっぱい!
途中まで大ちゃんと同じ帰り道を通り、大ちゃんの家の前でお別れする。
会計で財布を開けるしぃちゃんの顔面蒼白ぶりにはさすがに罪悪感が芽生えてしまった。
また今度何か考えとかなきゃな……。
と、家まで後数百メートルの道を歩いていたら、スマホが着信をしらせた。
「もしもし!」
『どうも』
聞こえてくるのは愛しい人の声。
「えへへっ、元気っ?」
『っふ、はい、元気ですよ』
お盆は四宮家にも予定があるから、私だけ先に帰ってきている。
スイくんがこっちに戻るのは一週間後くらいだったかな。
あっという間に終わる夏休みなのに、スイくんがいないだけで時間の進みが遅い。
「早く会いたいなっ!」
『はい、俺もです。さすがに緋織先輩の家じゃ一緒に寝るのは難しそうですよね』
「へっ!? なっ、なっ、夏休み限定だよあれは!」
『あれ、そうだったんですか。残念』
特別感があったから耐えられたものっていうか。大体あのときは、色仕掛けうんぬんを考えてた時期だったしっ……。
まんまとしぃちゃんの策略に乗っかってただけだから、もうできそうにないよっ!
「…………おっ、お母さんは、うるさくしなかったらたぶん怒らないと思うけどっ」
『ちょっと気まずいですよね』
「そうだよっ!」
逆にスイくんはよく耐えてたね!?