クールで一途な後輩くんと同居してみた



「この、ワースト3ってやつですけど」

「へっ? あ、そ、それね?」



 ちょっと落ち込んでたら急にスイくんが顔を上げた。


 さっそくそのページに目を留めてしまったらしい。


 おすすめ部活ワースト3――つまり絶対におすすめできない部活三選。


 惨状の数々を乗り越えた私の怒りが沸々と燃えたぎる。



「第三位、囲碁将棋部」

「だって囲碁将棋やらないで麻雀やってるんだよ!? しかも平気でイカサマしてくるのっ!」

「かろうじておすすめポイント……、
県大会二位」

「わけわかんないよねっ!? 全然練習してる様子ないのに! こっちは部活に関係ない麻雀の役を覚えただけなのにっ!」

「……麻雀部に入りたい人はいいかもしれませんね」



 私は囲碁将棋をやるつもりで部室におもむいたんだよぉっ!


 とんだ広告詐欺だった。だけど囲碁将棋部としての実績がないわけではないから、廃部にはならない。恐ろしいよ。



「第二位、科学部……」

「顧問の先生がね、毒物劇物が大好きなんだって。私は大嫌いだから、絶対仲良くしたくないの」

「めちゃくちゃ主観のランキングですね」



 どうしても相容れない存在っているわけなんだよ。



「で、第一位が――」

「おおっと足がもつれた!」

「は、っ……?」


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