吸血鬼兄妹の禁断の恋
私は兄から少し離れると体を起こして、結んだばかりのリボンを解く
首元を見せると兄の唾を飲む音が聞こえた
「はい、どこからでも好きなだけ飲んでください。私の血を」
私も吸血鬼だけど、今はそんなには欲してないかな
「い…いいのか?俺たち兄妹なのに」
兄の目は普段の黒い目から血色に底光りする目に変わった
これはもう血を吸う体制になっていること
私が"人間"だったら目は背けたくなっていたかもしれない
なぜなら兄の口からは牙が見えていたから
兄は戸惑いを見せることも無く、私の首元に牙をたてて自分が満足するまで血を吸い続ける
「っ…ねぇ、はぁ…私の血って美味しいの?」
「はぁ…まぁ…妹だしな」
私は傷口を触ってみた
結構吸ったなこれ
「ルシア…」
兄の目はもう元通りになっていた
私とルシアはまたひとつキスをした
あーぁ、実の兄妹なのに何してんだろうね
ほんとに呆れてものも言えないね
兄はいつも私の血を吸ったあと傷口にもキスをひとつ落とす