このつまらない人生に



階段を下り、ホームに行くと、今日もまた葛生君はそこにいた。

今日は目が合わないように気を付け、足早に葛生君の横をすり抜ける。

葛生君は私に気づいたのか、気づかなったのかわからなかったが、

特に何も言ってこなかった。


ホームに滑り込んできた電車の昨日と同じ車両に乗り込む。

もしあの子も毎日同じ時間の電車に乗っているのなら、おそらく今日もまたこの車両に乗ってくるはずだ。


女の子が乗り込んできた駅は、確か学校の最寄駅から四駅目の駅だった。


< 51 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop