このつまらない人生に



なんとも危ないその瞬間を目の当たりにして、驚いて近寄る足が止まってしまっていた。

勢いよく閉められたせいで、扉が閉まる瞬間、大きな音がした。

その音に、一瞬、廊下にいたみんながそちらを振り返る。


少しの間、時が止まったかのようにしんとした静寂に包まれた。


廊下にいた人たちは、一瞬驚いたようだったけれど、また何事もなかったかのように、友達同士で話し始める。

女の子は訳も分からず、その場に立ち尽くしている。


私は、バレない様にそっと立ち尽くす女の子に近づく。


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