見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
「ふー…久しぶりに本格的にやったけど、やっぱ気持ちいいな。ケンとカイも結構やるな。思ってたよりすげぇわ」
「そうなんだ。ふふ、私も見てみたかったな」
「それより乃愛、大丈夫だったか?身体もだけど、ユキさんの事…」
「…うん。押しの強い人だなぁとは思ったけど、まぁ大丈夫」
「店でも言ったけど、昔、付き合ったことのある人でさ。結婚する前…23くらいの時かな。俺、大学の時から卒業後もこっちの幾つかの店舗でバイトとして働いてたんだ。その時の先輩で」
「そんなに前なんだ」
「ん。当時は俺も若いし、それこそ金もステータスもないから、ユキさんはすぐに他のスペックのいい男に移ってったけどね。あの人はそういう人。もちろん俺は興味ないからな」
「うん。そっか、それで私にあんなこと聞いてきたんだ…」
「ただ…まぁ今は社員だから俺が副社長になってるって知ってるからな。俺はユキさんがここの店舗にいるのは知らなかったし、今日は本当に偶然会ったけど、さっきの感じは何か嫌な予感がするな」
「あ、ねぇ、ユキさんていくつなの?」
「歳?んー…4、5歳上だったかな」
「そんなに上なの?見えないね…若いしかわいらしい方だよね」
「…乃愛、不安か?ユキさんの事」
「え、うん……不安がないと言えば嘘になる、かな。なんか伊織を狙ってる様に見えるし」
「偶然とはいえ、ごめんな…」
優しく、でもぎゅうっと抱き締められると、身体に感じる伊織の体温に不安が消えていく。
「俺も…まさか乃愛の元彼に会うとは思わなかった。森くん?モトキくん?だっけ、カッコいい奴じゃん、性格も悪くなさそうだし。…何で別れたの?」
抱き締められたまま聞かれた。
「高校の同級生で…別々の大学に入って遠距離になって、お互いに忙しくて連絡も少なくなって自然消滅になりそうだったから、最後はちゃんと話し合って別れたけど」
「そっか。…乃愛は気にならなかった?久しぶりに会った彼に対して」
「うん。本当に同級生に会った、って感じ」
「…あれ、乃愛って経験は一人じゃなかったっけ?元旦那だけって」
「うん、そうだよ」
「森くんとは?」
「そこまではしてないから…」
「じゃあキス止まり?」
「うん…まぁ」
「そっか…。乃愛が気にするように、俺も乃愛の過去の男は気になるし不安にもなるよ。どこまでの関係であろうと、付き合ったってことは乃愛が心惹かれた男だから」
「うん…」
「俺は不安になったらこうして乃愛に言う。だから、乃愛も俺に不安なこととか全部言って?いい?」
「ん……ありがとう、伊織。こうして言ってもらえるのがすごく嬉しい。私は伊織しか見えてないからね」
「俺も愛してるのは乃愛だけだから。他の女なんて目に入らないからな」
「うん、信じてるよ。ありがとう」
自然と顔がほころんじゃう。
「…じゃあ俺シャワーしてくるな。支度したら早めに乃愛の実家に行こ?なるべく長い時間一緒にいたいし」
そして、伊織はスタッフさん達との飲み会に行くまで、私の実家で過ごしてくれた。