見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
みんなで挙式会場となるお庭に出ると、健斗と快斗、暖仁くん、湊仁くんが、わあぁ!すげぇ!広ーい!と芝生に走り出した。

一度、横浜のみなさんが私の実家に来てくれたことがあって、その時に弟たちと暖仁くん兄弟はすっかり仲良くなったんだよね。


「こら、走らないの!」とお母さんや瑠那さんが嗜めるけど、言うことを聞かずにわぁわぁと楽しんでいる。
ふふっ、男の子だなぁ。

チラリと伊織を見ると「すげぇ楽しそう、なんかウズウズするな、ははは」って笑ってる。

「伊織もあの中に入りたいの?」

「はは、新郎じゃなきゃ入ってたかもな」

「えっ、そうなの!?」

「ダメ?」

「…ダメじゃない?」

「そっか、やっぱダメか。ははは」

って笑ってるけど、そういうものなのかな、男の人って。
でも、大人の伊織があそこに混じって駆け回ってるのを想像したら笑いが込み上げてきちゃった。ふふふ。



「伊織くん、乃愛ちゃん。今日はご招待ありがとう。二人ともとっても素敵でお似合いだよ!」

「伊織くん、乃愛さん、おめでとう。天気もよくて素敵な式になりそうだね。…にしてもさすが伊織くんだね、やっぱカッコいいなぁ。な、旭?」
「うんっ、いおりくん、カッコいいのっ、のあちゃん、かわいいのっ!」

外に出た私達に、麻依さんと諒さんが声をかけてくれた。


「来て下さってありがとうございます!」
「ありがとうございます。諒さん、麻依さん。旭もはるひちゃんもありがとな」

伊織が旭くんやはるひちゃんの頭をいいこいいこしてる。
ほんと、伊織が小さい子の相手をしてるのを見るのがすごく幸せなんだよね。


実は、SNSでのやり取りだけでなく、こちらに打ち合わせに来る度お二人の元へ寄らせて頂いて、相談したり、お互いの話をしたり、旭くんとはるひちゃんと遊んだりと仲良くさせてもらってたんだ。

それで、結婚式に来てもらいたくてお願いしたら、最初は「お身内主体のお式なのに…」と躊躇されてたんだけど、身内だけにしたいのではなく共通の知人が少ないから少人数にするだけなので!…とゴリ押しでお願いしたら、お二人とも「それなら喜んで!」と言ってくれたんだよね。

それにしても…やっぱりお二人はすごく素敵。
そして正装した旭くんとはるひちゃんが可愛すぎてキュンキュンしちゃう。



今日来てくれているのは、横浜にいる伊織のご家族ご一家と、私の両親と弟たち。
そして身内でないのは梨本さんと諒さんご一家のみ。

公佳さんにも来てほしかったけど、もうアメリカに行っているし、みんな私達の事情をわかっているとはいえ…伊織の前の奥様だしね。



さぁ、いよいよ伊織と私は入場の扉の前にスタンバイ!

はぁ……今になってちょっとドキドキしてきた。
胸に手を当てる私を見て、伊織が私の顔を覗き込む。

「乃愛、すげぇ可愛いよ。諒さんが言ってたの、すげぇわかる。可愛すぎてマジでデレるのな。…ふ、思いっきり楽しんで…幸せな式にしような」

ちゅっ

「!?……え?」
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