見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
披露宴というより、人数が少ないからお食事会みたいな感じだけど、せっかくだからと乃愛と俺は衣装を変えた。

乃愛はシャンパンゴールド系の色合いの少し大人っぽいドレスで、俺もそれに合わせて同じくシャンパンゴールドの色のタキシードにチェンジ。

乃愛はドレスのゴールド系の色味と普段より少し濃い色の化粧のせいか、すげぇ色っぽい。

いつもの可愛さに大人の色気が増して、写真の前撮りで初めて見た時は言葉が出なくて…とにかくドキドキしたんだよな。

今度、家でも少し濃い色の化粧をしてもらって…そんな乃愛を……なんてな、ふ。


俺らが入場すると、やはりみんな乃愛に注目した。

「乃愛ちゃん、すんごい綺麗!」
「のあちゃん、おひめさまみたーい」
「今度こそ乃愛さんの隣は俺がっ」ペシーン
「乃愛ちゃん、きれい…」


……な、すげぇ綺麗だろ?
このドレスは俺が選んだんだぜ?
絶対似合うと思って。
そしたら思った以上に綺麗でびっくりでさ。
つか…はぁ……マジで可愛いのにすんげぇ綺麗…
ずっと見ていてぇくらい…
あぁ、俺の奥さんなんだよな……


「伊織くん、すごいドヤ顔からのデレデレだね。ハハッ、俺もそうだったから気持ちはわかるよ」

諒さんが俺を見て笑って言う。

「ははは、わかってもらえて嬉しいです」

「え、マジでそうだったんですか?」
ハルが諒さんではなく麻依さんに問う。

「うん、そうみたいだね。私は見てないんだけど、友人がそう言ってたね。ふふっ」

「へぇ……イケメンがデレるって、なんかカッコいいっすね…俺もそうしようかな」

「ハルトくん。カッコいいからするんじゃなくて、俺は麻依だから自然とそうなったんだよ。伊織くんもね。だからキミもそういう人が現れたら自然とデレるはずだよ」

諒さんが穏やかな笑みでハルに答えた。
そういうことをサラッと言えるの、やっぱカッコいいな。



それから俺達も席について、みんなと話しながら料理をいただいた。


バンケットルームの一角には、子供達が遊べるキッズスペースを作ってもらったんだ。
これは千紗さんからのアドバイス。

見ると、麻依さんが旭とはるひちゃんを連れて来てくれていた。
そこに彩愛ちゃんが入りたそうにしていると、旭が麻依さんから彩愛ちゃんの名前を教えてもらい「あやめちゃん、いっしょにあそぼ」と手招きしてる。
彩愛ちゃんも「うんっ」と元気な返事をしてそこに入ってった。

歳の近い二人で遊ぶかと思っていたんだけど二人ともはるひちゃんの相手をするんだよ。
いや、正直驚いた。
旭も彩愛ちゃんもいい子だな…

って思ってたら湊仁がやって来た。
湊仁は普段から彩愛ちゃんが近くにいるからか小さい子の扱いが上手い。
やはり旭とはるひちゃんにも同じ様に接して遊んでくれてる。

なんかすげぇ心が洗われるっつーか、心が優しくなる光景だな。

気付けば大人はみんな穏やかな表情で子供達を見てる。

…自分の結婚式でこんないいものが見られるとは思わなかったよ、ははっ。



そしてこちらではハルが諒さんに興味津々な様で何やら話しかけていて、そこへカイとケン、更にはナッシーまでも混ざっていった。


「ねぇ伊織、こうして私達が大好きな人達が仲良くなってくれるのが嬉しいね、ふふっ」

「ほんとにそうだよな」

「私もキッズスペースに遊びに行こうかな。実千香さんも麻依さんもいるし」

「あぁ、行っておいで」

そして乃愛はドレスをふわふわさせながら子供達の方へ向かって行った。

はるひちゃんを抱っこした麻依さんと実千香さんが談笑しているところに乃愛が入ると、子供達も群がってきて一段と賑わっている。

俺達も子供ができたらこんな風に楽しく過ごしてぇな…なんて思いながらそれを見ていた。


「ほんとにお前は変わったよなぁ。小さい子を見てこんな穏やかに笑うヤツじゃあなかったよな。ハッハッハ」
と笑ってるのは上の兄貴。

「まぁね、俺もそう思うよ。昔の俺からしたら信じらんねぇもん、ははは」
と俺も笑う。


「乃愛も…伊織くんと出逢って変わったと感じますよ、どことなく強くなった気がしてね……きっと伊織くんの惜しみない愛情が乃愛の自信になってるんだろうね」
そう言って乃愛のお父さんが俺に優しく笑った。

「お父さん……はい、これからも惜しみなく乃愛を愛し続けますから安心して下さい」
俺は自信を持って答える。


それからまた人が入れ替わり立ち替わりしながら和やかな談笑が続いた。
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