見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
結婚式を終えた俺達は、フルールさんから車で20分位離れた旅館に来て、またもやみんなで一緒に過ごしている。

というのも…
結婚式の日程が決まった時、両家の家族とも「せっかくだからゆっくりしていきたい」と希望したから一泊することにしたんだ。

そこで北条さんからお勧めの宿をいくつかピックアップしてもらい、その中から決めた温泉旅館。

諒さん一家にとっては県内で近場の旅館だけど、俺達がぜひにと誘ったら快く受けてくれ、しかも「近場の温泉に泊まるってなかなかないから嬉しいよ」とまで言ってくれたんだ。


夕食の前に男女別でグループになって大浴場に行ったんだけど、マジで裸の付き合いって、より親しくなれんのな。
乃愛に聞いたら女性達もそうだったらしい。


俺達は人数が多いから夕食会場は個室にしてもらったんだ。
ゆったりとした畳の部屋で、他のお客に気兼ねなく寛げてよかった。


食事が落ち着くとそれぞれグループができて、わいわいと盛り上がっている。

子供達は広い畳の部屋が楽しいみたいで、女性グループの近くできゃっきゃ言いながら遊んでる。



夕食時はみんな浴衣姿。

ここの旅館はチェックイン時に浴衣を選べるんだけど、その浴衣は色柄が同じ物は一つもないという。
だから男も女もみーんな違う浴衣。
その楽しいコンセプトもここを選んだ理由の一つだったりする。


乃愛はクリーム色に花柄のやつで、ひらひらした紐?帯?が赤くて、それがすげぇ似合ってて可愛いんだ。


若手男性グループで話してんのも楽しいんだけどさ、俺はそろそろ乃愛の近くにいたいんだけどな……と思ってたら。

「あーもう限界!俺、麻依のとこ行ってくるっ」つって諒さんが男グループから出ていった。

ケンとカイ、ハルはそんな諒さんを「マジすげぇ!」「限界って何!?」って笑ってたけど、さすが師匠だよな。

だから「あっ、俺も乃愛んとこ行くっ」ってついてっちゃった。

ははは、マジで諒さんリスペクトだわ。
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