見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
翌朝、早く目が覚めたから一人で大浴場に来てみたら先客がいた。

「あれ、諒さん。おはようございます、早いですね」

「あぁ、おはよう。伊織くんこそ早いね」

「昨日は本当にありがとうございました。すげぇ嬉しかったです」

「いや、こっちこそ家族みんなで楽しませてもらっちゃって。…あぁそうだ、俺に敬語はいらないよ?歳もそう変わらないしさ」

「じゃあそうさせてもらおうかな。俺も伊織って呼んでよ」

「なら俺もさん付けいないから」

「ん、じゃあ諒って呼ばせてもらうな」

なんてまた一つ親しくなって話してる内に、昨日した『悪代官と町娘』の話になった。

「あー、わかる。やっぱ男なら一度はやりたいよなー」

「わかる?はは、だよな。いやマジで燃えたし。つーか諒は…って、子どもがいたらいくらなんでもできねぇか」

「いや、したよ」

「えっ!麻依さんとしたの?子ども寝てんのに?」

「うん。だってあんな超絶可愛い浴衣姿見たらさ、我慢できるわけないじゃん」

「ふ、すげぇ」

「最近はバックハグからキスするのが好きでさ、俺。で、胸元から手ぇ入れるとさ…ほんと麻依が可愛すぎてたまんねぇんだって」
って諒が手で顔を覆って悶えてる…

「てかさ、諒と麻依さんの絡みって美男美女だからすげぇやらしそうだよな」

「あっ、麻依の裸を想像すんなよ!?」

「ははは、しねぇって。でも、麻依さんもそっちの意味でも幸せだよな。諒なら経験も豊富だろうし」

「あー俺、麻依が初めてだよ」

「何が?」

「全部。初恋もキスもセックスも、全部麻依が初めて」

「えぇっ!?…マジかよ…」

「うん、マジマジ。だからテクニックとか全然知らないし。って、伊織は経験豊富そうだよな」

「あー…まぁそれなりにね」

「って言うヤツは相当な数こなしてんだよなー。今度何かいいテクでも教えてもらおかな。麻依をもっと喜ばせたいなぁ」

「ふ、いーよ、何でも教えるよ。つかほんとマジで麻依さん大好きだよな、諒って」

「当たり前じゃん。初めて愛した人だもん。んで、あんなに可愛い人が俺を愛してくれんだよ?大好きに決まってるでしょ」

「そーいや、よく言うじゃん、美人は三日で飽きるとか、ごちそうばっか食ってるとあっさりしたのが食べたくなるとかさ。そーゆうのはどうなの?」

「あーそれな。ごちそう云々ってのは麻依にも言われたことあるんだけど、俺にとっては麻依は唯一のごはんで他の女は食事つーか食い物じゃないからさ」

「へー……そこまで言い切れんのがすげぇな」

「伊織もそうだろ?乃愛さん以外の女に興味ないだろ?食いたいと思わないだろ?じゃあ食事にすらならないってこと」

「…確かに。はは、こんなに愛されてる麻依さん、マジで幸せだな」

「いや、隣に麻依がいてくれてる俺の方が幸せなんだよ。フッ」

「………」
その気持ちはすげぇわかるけど…
そーゆうのがサラッと出てくるとこ、やっぱ最強。


「さてと、そろそろ上がるかな。子供達が起きてたら麻依が大変だし。麻依にも温泉で温まってもらお」

「はは、ほんといい旦那でいいパパだよな。んじゃ俺も上がろっと」

思いがけず諒からいい話が聞けて楽しかった。
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