見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~

ルークと公佳の住居は、木立に囲まれた緑あふれる広い公園のすぐ傍のマンション。
近くに公園があるのはいいな。都会の喧騒を忘れてのランニングとか気持ち良さそうだし。


空港に着いたのが昼の2時半を回ってたのもあって腹が減ってた乃愛と俺は、ここに来る途中でハンバーガー屋に寄ってもらい、テイクアウトで買ってきていた。


「コーヒーでいいかしら?」

「あっ、公佳さん、ありがとうございます。お昼も私達だけ頂いてすみません」

「いいのよ、ランチは私達は食べてあったし、今はお茶するつもりだったから」

そう言って4人分のコーヒーと、俺達には食器も出してくれた。

何で皿とナイフとフォーク?って思ったら「たぶんそのままだと食べづらいと思うから」と。

まずはこのまま食べてみよう!と乃愛と二人でかぶりついてみると確かに見事なボリュームで、乃愛を見れば食べるのに四苦八苦してる。
おっきな口開けて、ほっぺたにソースつけて……ふ、可愛い。

「乃愛、無理するなよ。いっぱいなら残りは俺が食うからな」

「ん、ありがとう。でもお肉いっぱいで美味しいね!全部食べたくなっちゃう!」

ニコニコ笑顔でそう俺に話すから、ほっぺにちゅ、とキスしながらソースを舐めとった。

案の定、乃愛は「えっ、何で!?」って驚いてたけど「ソースついてた」っつったら真っ赤な顔で「えっ、やだ、子どもみたいで恥ずかしい……あ、ありがとね、伊織」だって。
俺がキスしたかっただけなのにお礼言われちゃった。

「ふ、どういたしまして」


それから乃愛はハンバーガーを皿に置き、ナイフとフォークを使いながらきれいに少しずつ食べ、あの量ながら完食した。

俺は食器を使わずに食べた終えたところ、乃愛に「きれいに食べられてすごいね!…あ、伊織もここについてるよ?」って口元を指さされたから「ん、舐めて」っつったけど「はい、これで拭くの!」ってティッシュ渡された……しょぼん。
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