見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~

それを見てた公佳がふふっと笑う。

「お昼食べたばかりの時に申し訳ないんだけど、お夕飯はウチで食べてかない?私、頑張るわよ?」

「「えっ!」」

ルークと俺が同時に声を発し、それにお互いが気付いて顔を見合わせた。
…もしやルークがそう言うってことは……


「…二人にキミカの手料理を振る舞うってことかい?」

「えぇ、そうよ?」

「それは…あぁえぇと…僕は妬けるなぁ…」

「あら、どうして?あなたも一緒に食べるのに」

「いや……まぁそうだが……」

……ルークの言わんとすることはわかった。
きっと公佳の料理の腕は相変わらず、てことなんだろう……


そんな俺達男二人の気持ちを知ってか知らずか、乃愛が公佳に話しかけた。

「じゃあ私、公佳さんと一緒にお料理したいです!」

「えっ、いいわよー乃愛ちゃんはお客様なんだもの」

「いえ、一緒にしたいんです。私、伊織のホームステイ先のお母さんと一緒にお料理を作ったのがすごく楽しかったんです。だからお姉ちゃんの公佳さんとも一緒に作ってみたくて」

「乃愛ちゃん…ありがとう!嬉しい!じゃあ一緒に作りましょ!そうと決まれば買い物ね!」

嬉しそうな公佳には申し訳ないが、乃愛が一緒に作ってくれることに心底ホッとした。

「ルーク、乃愛ちゃんといつものスーパーに行ってくるわね」

「あぁ、行っておいで」

「えっ、二人で行くのか?」

「そうよ?」

「ナンパされんじゃねぇか?」

「伊織、それなら大丈夫!私がちゃんと〝公佳さんには素敵な旦那様がいるんですよ!〞って言うから」

「アホっ!俺は乃愛がナンパされるのがヤダっつってんの!」

「えっ!そんなのあるわけないじゃない!クロエちゃんにも年下に見られるくらいなんだから」

「ダメだ、俺も行く。いいよな、公佳」

「え、えぇ…いいけど……乃愛ちゃんがナンパされるのがそんなに嫌なの?」

「当たり前だろ?俺の乃愛に声かけるとかあり得ねぇわ」

「ふふっ……本当に変わったわね、伊織」

そう公佳に言われて、昔の自分を思い出した。
確かにな。俺、公佳が声かけられてると優越感あったからな。


「それなら四人で行こうか。もうそろそろ彼らもチェックインタイムだし、ホテルに寄ってから大きい方のスーパーに行くのはどう?」

「それがいいわね!じゃあみんなで行きましょう」

「乃愛、スーパーで俺から離れんなよ」



っつったのに…

乃愛は公佳の隣でカートを押しながら一緒に歩いてるし…

だから俺は、乃愛のすぐ後ろについて「あれ買いたい」「これで作るか?」とか言いながらベタベタしてたら乃愛に「公佳さんとお話しできないでしょ!」って怒られた……しょぼん。

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