見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
これから乗り込むのは宏哉の職場。

二週間前に宏哉に電話して、話したいことがあるから会いに行きたいと言ったら、会社の昼休みならいいって言われたんだよね。

実はこれも言質がある。

…………………

『…そーいや乃愛がこっちに来たいって言ってるんだ。話したいことがあるからって』

『話したいこと?ふぅん、何だろうね。あっ、そろそろ帰ってきて、みたいな?』

『…あぁ、そーゆうヤツか…』

『それで、いつなの?』

『まだ何も決めてないけど』

『じゃあ仕事の話なら会社に来てもらえば?それに昼休みなら時間も短いし、家じゃないから抱く必要もないでしょ?あっ!職場の人達も宏哉くんに同情するんじゃない?奥さんがこんな豚さんだなんてカワイソーって。そこで私が乃愛をフォローしたら私の株も上がるしね、うふふっ』

『すげー言いようだね。…葉月ちゃんは乃愛の親友じゃなかったの?』

『…そんなわけないじゃない。私、宏哉くんが好きだったから、乃愛にくっついてれば宏哉くんと一緒にいられるから親友のフリしてたんだよ?』

『葉月ちゃんも相当悪いヤツだよな』

『宏哉くんがそんな私を選んでるんでしょ?』

『…まぁ…』




……という音声。

たまたま興信所の調査で取れたものだけど。


宏哉のいる横浜の支店に葉月がいるのは興信所の調査で知った。


私には何も言わずに近付いたってことよね。
宏哉をモノにするために。

しかも宏哉に私のことを「会って見たけど太ってて豚だった」という嘘を吹き込んでまで。

確かに太ったとは言ったけど…
…でもそれを私に確認もしないで葉月を信用した宏哉も同罪。


そんな宏哉なんて…いらない。




…じゃあ二人に見せてあげる。
九十九さんと公佳さんのプロデュースでバッチリ仕上がった私をね。

よし。こちらは準備万端。
宏哉、葉月、待ってなさいよ。
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