爽やか系イケメンの本気。



「真紘くん……?」


私の顔になにか付いているのだろうか……?
分からずそう名前を呼ぶと、真紘くんは大きいため息をついた。


「ねえ美桜」

「?」

「俺疲れちゃって頭痛いかも」

「え……」


急に体調が悪いと言い出すから焦る。
え、大丈夫……!?
時間を見ると、まだ授業は前半で全然時間はある。


「大丈夫?保健室行く……?」

「うん。連れてってほしい」

「え…?」

「だめ……?俺一人だと倒れちゃうかも」


私がついていっても、何も出来ないかもしれない。そう思ったのに、甘える子犬のようにそう言われたら断ることも出来なくて。


「……わかった」

「ありがとう。……先生、保健室行ってきます」

「あ、ああ……気をつけろよ」


今の会話を見ていなかった先生の顔は困惑。
すると真紘くんは私の手首を掴んで保健室に向かった。


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保健室について、ガラッと開けると人の気配はない。
先生もいなくて、どうしたんだろうと思うけど、近くに『先生不在』の看板がたっていて状況を理解する。



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