爽やか系イケメンの本気。



「先生いないみたい……真紘くん大丈夫?ベッドで休んでれば……」


そう声をかけても、真紘くんは進める足を止めない。
私は真紘くんに手を握られているため、ついて行くしかできなくて。
1番奥のベッドのカーテンを開けると、私を入れてカーテンを閉めた。

……あれ?なんで、私もここに……。

そう思った時、真紘くんは私の手を離した。


「ここ、座って」

「え……?」

「はやく」


真紘くんの顔に先ほどまで浮かべていた穏やかな笑顔はない。
……なんだかすごく疲れてそうな表情。
私は言われるがまま、ベッドに腰をかけると。


「え……っ!?」


真紘くんは、その私の膝の上に頭を置き寝っ転がった。
まって……これって、膝枕……っ?
困惑する私を他所に、真紘くんは顔を上にして私の顔を見るような体制をとる。


「…おお、いい眺めだわこれ」

「え、えっと……っ」


なんでこんなことになってるの……っ。
恥ずかしくて顔を手で覆おうとするけど、その手を掴まれてしまい、出来ない。



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