爽やか系イケメンの本気。




「なんで今日そんな素直なんだよ……まじで押し倒すぞ」

「……へへっ」

「……勘弁してくれ。まじやばいから」


顔を覆ってしまった真紘くんにまた笑みが零れてしまう。


「真紘くん」

「…なに」

「……ううん。呼びたかっただけ」

「…っ、これはお前が悪い」

「…っ、ひゃっ」


新しい感情に名前がついたことが嬉しくて油断していたみたい。
気づいたら私の目の前は天井と真紘くんの顔。ソファに押し倒されていた。

……っ、これはやばいかも。
真紘くんの瞳が熱を持ってる。獲物を見るような目。危険だ。


「ふざけんなよ。煽ってるだろ」

「…っ」

「俺がこんなにも我慢してんのに。美桜は俺に襲われるとか思わないわけ?」

「……っ、ぅ」

「…泣くのは美桜だぞ」


そう言った真紘くんは、掴んでいる私の手首に力を入れて。
私は身動きが取れない状態。


「……なんなのお前。もっと可愛いこと自覚しろよ」


< 143 / 225 >

この作品をシェア

pagetop