爽やか系イケメンの本気。



可愛いって、真紘くんに言われるだけでまた心臓が騒がしくなって。
真紘くんは、少し手の力を緩めてくれる。


「で、なに?俺に帰ってほしくないの?」

「…っへ、」

「言えよ。言わないなら帰るけど」

「……っ」


ずるい。ずるすぎる。
なんで、また命令口調なの。さっきまで照れてたのに、人が変わったように。


「…はやくしろよ。さっきまであんなに素直だったのに」

「…っ、それ、は、」

「真っ赤な顔しちゃって。俺本気にするよ」


ほん、き……?なにそれ。
疑問を持ったのに、真紘くんはそれの意味を教えてくれる様子はなくて。


「…っ、帰んないで……っ」

「…ふっ。いい子だね」


恥ずかしいけど、帰っちゃ嫌だ。
そう言うと、よく言えました、と私の頭を撫でてくる真紘くんにまた顔の熱が上がる。
微笑んだ真紘くんはバタンと私に倒れ込んできて。
ソファの上で抱きしめられる形になってしまう。
……っ、なに?


「あー、もうこのまま寝ちゃおっか」



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