爽やか系イケメンの本気。
ほんとにこのまま寝ちゃったんだ。ソファ狭いから、落ちなくてよかった。
起きて一番最初に飛び込んできたのは真紘くんの顔。
……なんだか変な気分。嬉しい、とは少し違うような。
真紘くんの一定の呼吸と心臓の音がすごく落ちつく。
でもずっとここにいる訳には行かない。今日だって学校なのだ。お弁当を作らなくちゃ。
そう思って真紘くんの体から離れようとするけど。
……あれ?動けない。
手を離しても真紘くんから離れることは出来なくて。
それの原因はすぐにわかった。
私の腰に腕を回してる……しかも結構力強い。
もう一度、力を入れてみても動けなくて。
罪悪感を感じながらも、
「…真紘くん……手を離して」
小さな声で寝てる彼にそう問いかける。
……まあ、聞こえないよねそりゃ。
全く腕の力を弱めてくれなくて、そう思う。
「ま、真紘くん…っ、おきて……」
「……」
「手、離して……っ」
「……無理」
「…!?」
少し声のボリュームを上げて問いかけると、真紘くんは目を閉じたままハッキリとそう言った。