爽やか系イケメンの本気。



目の前にいたのは、私が探していた佐野先生で。私の顔を見て驚いていた。
私は俯いたまま、絞り出すように担任が呼んでいたと言って走って逃げる。

後ろから戸惑う佐野先生の声が聞こえるが、気にしている場合ではなくて。


「ちょっと宇原さん……っ!……って、柚希くん……?!」


佐野先生がわたしの名前を呼んだあと、驚いたような声を出して真紘くんの名前を呼んだ。

……っ、やっぱり追ってきてる……。


「はぁ……はぁ……」

「待てよ美桜……!!」


やだ。やだよ。待たないよ。なんで来るの。一人にしてよ。
じゃないと私……爆発しちゃうよ。真紘くんに全部、想い伝えちゃうよ。
だから……今は来ないで。

周りを見ず、目的地も考えずに走ったからどこに来たかはわからない。
気づいたら目の前は行き止まりで、ピタッと足を止める。

後ろから足音がして、どうしようと思う。
でも、すぐに足音は私の真後ろまで来て、パシッと腕を掴んだ。


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