爽やか系イケメンの本気。
……そんなこと、ないと思うけど。
それでも、真紘くんにそんなこと言われたら恥ずかしくなっちゃうじゃない。
「俺のこと信じられないの?」
「え…っ?違うよ……っ!」
「じゃあ信じて。誰も美桜に文句言わないから」
「…は、はい」
そんなこと言われたら、否定することなんてできない。
真紘くんがそこまで言うなら、大丈夫だよね。
「もし言われたら俺、女だとしても容赦しないよ」
「……それはやめて」
にっこにこな笑顔で物騒なこと言いだす真紘くんに、私は冷静になった。
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「じゃ、また明日」
「うん、送ってくれてありがとう」
あっという間に家まで着いて、真紘くんにお礼を言う。
すると、真紘くんは急に私の腕を掴んで引き寄せてきた。
「ちょ、真紘く……っ」
ふわっと真紘くんの香りが漂ったと思うと、耳元まで顔を近づけて。
「……もっと長くキスできるように、いっぱい練習しようね」
……っ、なんてことを言うんだ……っ!
そう意地悪に笑って帰って行った真紘くんに、私はしばらく動けなかった。