爽やか系イケメンの本気。



……そんなこと、ないと思うけど。
それでも、真紘くんにそんなこと言われたら恥ずかしくなっちゃうじゃない。


「俺のこと信じられないの?」

「え…っ?違うよ……っ!」

「じゃあ信じて。誰も美桜に文句言わないから」

「…は、はい」


そんなこと言われたら、否定することなんてできない。
真紘くんがそこまで言うなら、大丈夫だよね。


「もし言われたら俺、女だとしても容赦しないよ」

「……それはやめて」


にっこにこな笑顔で物騒なこと言いだす真紘くんに、私は冷静になった。


────────────────


「じゃ、また明日」

「うん、送ってくれてありがとう」


あっという間に家まで着いて、真紘くんにお礼を言う。

すると、真紘くんは急に私の腕を掴んで引き寄せてきた。


「ちょ、真紘く……っ」


ふわっと真紘くんの香りが漂ったと思うと、耳元まで顔を近づけて。


「……もっと長くキスできるように、いっぱい練習しようね」


……っ、なんてことを言うんだ……っ!
そう意地悪に笑って帰って行った真紘くんに、私はしばらく動けなかった。



< 198 / 225 >

この作品をシェア

pagetop