爽やか系イケメンの本気。




そう言うと桜は私に勢いよく飛びついてきて、その勢いに軽くバランスを崩す。


「……ねえ美桜ちゃん、今私真紘と目合ってるんだけど。すっごい睨んでくる」

「ええ?」


真紘くんは私の後ろにいるから、目合うんだと思うけど。
……睨んでくる?なんで?


「わかってんなら早く美桜から離れてくんない?」

「えーやだよ。美桜ちゃんいい匂いするもん」

「……お前」


私の見えないところで言い争い始めた二人に、私も二人から見えないところで笑った。


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「美桜、俺とお昼食べよ」


お昼休み、真紘くんは私のところにやってきてそう言った。
お昼…?でも、桜が……。
チラッと桜の方を見ると少し唇を尖らせている。


「……」

「いいよね?姫宮さん」

「……あんたほんといい性格してるよね」

「ん?何か言った?」

「……いいよ、今日は美桜ちゃん譲ってあげる」


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