爽やか系イケメンの本気。
はあ、とため息を吐いてそう言った桜に驚いてしまう。
え……いいの?桜一人になっちゃうんじゃ……。
「いいよ!私、柚希くんのことはどうでもいいけど、美桜ちゃんのことは大好きだから!!」
「……ありがとう」
なんか二人とも……似てるよね。
「ただし!美桜ちゃんに手出したら許さないから」
「それは約束できない」
「な……っ」
即答でそう答えた真紘くんは、私の手を握って教室を出ていく。
約束できないって……どういうこと……っ!!
「前に行った空き教室で食べよう。二人で」
「え……っ、うん」
二人で、を強調して言った真紘くんに、少し緊張してしまう。
階段を上がっていると、
「美桜?」
「…あ、南朋」
南朋が降りてきているのが見えた。
思わず足を止めると、南朋は笑顔で私に手を振ってくる。
「授業お疲れ。…真紘とどっか行くの?」
「あ、お昼食べるの」