爽やか系イケメンの本気。



それから何日か経った日の夜22時。

リビングで南朋とテレビを見ていると、家のドアが開いてお母さんが帰ってきた。


「ただいま〜二人とも」

「おかえり母さん。お疲れ様」


お母さんの言葉に南朋が返す。
……珍しい、早く終わったのかな。


「ごめんね〜いつも何から何まで任せちゃって」

「全然いいよ」

「今日珍しく早く帰れたから、なにか手伝おうと張り切って帰ってきたのに、もうやることなさそう」


あははって笑ったお母さんの久しぶりの笑顔は本当に綺麗な人だと思う。


「実は、今仕事で一段落ついてね。何日かは少し早く帰ってこれそうなの……っ!」

「え…っ!そうなの……?」

「そうそう!だから少しでも二人と話したくてねえ〜……って、あれ?」

「……?」

「美桜、なんだか明るくなった……?というか、美桜が笑ってる……っ!!」


お母さんは途中で話をピタッとやめたかと思うと、荷物をその場に置いて私に早足で近づいてきて。



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