爽やか系イケメンの本気。
「ねえねえ!!今日、朝から南朋(なお)先輩見ちゃった!!」
「えぇ!?いいなぁ、ほんっと目の保養だよね」
私たちの1つ上の先輩の南朋は、私の兄だ。
「宇原兄妹で学校来ててさ!!もう顔面強すぎてやばいっ」
「え、2人並んでたの?なにそれ私も見たかった」
今日、家出る時に珍しく南朋と時間が合ったから一緒に来ただけだけど。
南朋が、人気な理由はよく分かる。
私と真逆で、いつも笑顔な南朋は周りにはたくさんの人が溢れていて、それでいて優しい。
大きい切れ長の目はぱっちり二重、筋の通った高い鼻、厚すぎず薄すぎない血色のいい唇が、綺麗に並んでいる。
身長だって高い。
私の、自慢の兄。
だからこそ、私が浮くのもわかる。
またひとつとため息をこぼした時と同時。
教室のドアがガラッと開いて、クラスがわっとザワザワし出す。
「おはよう真紘(まひろ)〜!!」