爽やか系イケメンの本気。



「じゃあ、一緒に行こう」

「……え?」


なぜ……?
ほら、と言って勝手に手を引いてくる柚希くんに驚いて足が止まってしまう。


「……っ」


手、手……っ!!
水道行くだけなのに、手繋ぐの??ていうか、なんで私と手繋ぐわけ……っ!?

でも柚希くんはそんなこと気にしてない様子で。
この人、慣れてる……っ。


「顔、真っ赤だよ?」

「…っ、うるさい……」


誰のせいだと思ってるのこの人。貴方のせいなんですけど。
プイ、と思わず顔を背ける。


「ふっ、かーわいい」


という声が聞こえてきて、また恥ずかしくなってパッと手を離す。
もう、知らない……っ!!

柚希くんをおいて、教室を出ようと歩き出すと、「待ってよ」と後ろから落ち着いた声が聞こえてくる。


……本当に着いてくるし。
結局、適当に手洗うって言っただけなのに柚希くんが着いてくるから水道まで来てしまった。

ジャー、と蛇口を捻り水を出す。
ハンカチを取り出して手を拭いていると、


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