爽やか系イケメンの本気。
「よしっ行こっか」
柚希くんも手を洗い終わって教室に向かおうと足を踏み出した時、
「あ、美桜」
後ろから聞きなれた声がしてバッと振り向く。
「南朋……!」
南朋の隣には、いつも南朋と一緒にいる男の先輩1人。
「今日のお弁当も美味しかったよ。なにしてたの?」
「えっと、手洗ってた」
笑顔で私にそう言う南朋に、表情は変わらないけど嬉しくなる。
でも南朋は私の考えてることわかってくれてるからいいんだ。
「…で、なんで真紘といんの?」
「え?あー、」
「こんにちは南朋先輩。この間はどうも」
南朋はやっぱり気に入らなさそうに拗ねたような顔をしている。
柚希くんはいつも通りニコニコ笑顔。
「はぁ。真紘、美桜のこと助けてくれたのは有難いけど、なにも人がいるところで運ぶことないだろ。こっちまで噂が広まってるんだから」
軽く柚希くんのことを睨む南朋。
……だよね。広まるよねそりゃ。だって柚希くんだもん。