爽やか系イケメンの本気。



この人はたまに、こんな目をする。
なにか裏がありそうな、何考えているのかわからないような、そんな目。

でもその目はいつも私の心臓をザワザワさせる。


「俺が、これから嫌というほど教えてあげるから」


どういう意味なのか全く理解できないのに、かああっと顔に熱が集中する。
本当に私、どうしちゃったの……っ?


「かわいいよ」


…っ、またかわいいって言った。
どういう意味で言ってるんだろう。そんなこと言ってくれるのは、南朋だけだと思ってたのに。

私の顔は、変なんじゃないの……?

無意識に、顔を下に向ける。


……あれ、まって。ここ廊下だよね……?
ハッと我に返って周りを見渡すと、人がたくさん廊下でおしゃべりしていて。
私たちを見ている人もいれば、気づかず会話をしている人。


「…教室」

「ははっ。そうだね戻ろっか」


私がそう呟くと笑って教室まで歩き始めた。

……やっぱり、不思議な人。



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