爽やか系イケメンの本気。
そんな私をお構い無しに、柚希くんはガチャリとドアの鍵を開けて出ようとするから、慌てて着いていく。
「…なんもしねえからそんな遠く歩かなくてもいいよ」
柚希くんの隣ではなくやや後ろを歩く私にそう声をかける。
……別に、遠くはなくない?斜め後ろぐらいだけど……。
それに、人に見られたらどうするの。噂広がってるのに、こんなとこ見られたらまた変な噂が……。
「隣おいでよ」
「えぇ……」
「…早く来いよ」
「…っ」
まただ……。強引で俺様な柚希くんが顔を出した。
なぜかわからないけど、そんな柚希くんに逆らうことが出来なくて。
気づいたら体が動いて隣に並んでいる。
「ん、いい子」
「……はぁ」
私が隣に並ぶと笑顔になりいつものように頭を撫でてくる。
なんなんだこの人は。二重人格すぎる。
軽くギロリと睨んでやると
「かわいいね」
なんて言ってくるから、話にならない。