爽やか系イケメンの本気。



そう、ニコリと笑った柚希くん。
こっちおいでって言われても、これ以上近づけないんじゃ……。
今の私と柚希くんの距離は結構近い。これ以上近づいたら私の身がもたない。


「で、でも……っ」

「…なあ」

「えっ…?」

「……はやくこっち来いよ」


……っ。
途端に笑顔が消えて、見下ろすように命令してくる柚希くんから目をそらすことが出来なくて。
言われるがまま、1歩足を踏み出すと


「いい子だね」


そう言って、私の腰に腕を回した。
すぐに私の身体は柚希くんの腕の中。
驚きすぎて、声も出ない。


「ゆ、柚希、く……っ」

「…だめだよ」

「へ……っ?」


だめってなにが……っ。
私、ちゃんと言う通りにしてるのに、何がダメなの……??
分からなくて、顔を上にして柚希くんを見る。


「……」


一瞬、無言になってしまった柚希くんに困惑する。
わ、私、何か変……?じっと見つめてこないで……っ。



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