爽やか系イケメンの本気。




「…真紘」

「え?」

「名前で呼んでよ」


ね?とにっこり笑った柚希くんの圧。
な、名前で……?
かああっと一気に顔に熱が集中する。
そ、そんなの急になんて無理……っ。


「ほら、呼べよ美桜。真紘って」

「……っ」

「…リピートアフターミー?」

「…ぅ、」


だ、だめだ……っ、拒否できない。
気づいたら勝手に口が開きかけてる。なのに声には出ない。


「言うこと聞けないの?悪い子だね」

「…っゆ、柚希く……っ」

「だめ」


急に顔が近づいて反射的に苗字で呼んでしまう。
……これ、呼ばなきゃ離してもらえないやつだ……っ。


「…っ、ま、」

「ん?」

「……真紘…くん……っ」


呼び捨てでは、呼べなかったけど、これで許してほしい……っ。
ちらりと柚希く……真紘くんの顔を見上げると、また一瞬固まってしまった。


「……よくできました」


またニコリと笑って私の頭を撫でてくる真紘くん。
それにされるがままの私。


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