爽やか系イケメンの本気。
「ごめん南朋。箸入れ間違えちゃったみたいで」
南朋は驚いた顔をして箸を受け取った。
「えっ、まじ?俺まだ見てないからわかんないや。ちょっと待ってて。持ってくる!」
そう言うと、くるりと後ろを向いて自分の席に戻った南朋。
周りからは、どうしたのー?とか、妹ちゃんじゃーんとか、そんな声が聞こえているけど。
南朋はちょっと待って、と言って質問には答えずに自分のお弁当箱を確認していた。
「あ、あった!はい、美桜」
「ありがとう、ごめんね」
私の箸を持ってきてくれて、それを受け取る。
じゃあ、と言って自分の教室に戻ろうとするけど南朋が待って、と手を掴んできた。
「どうした?美桜。なんか元気なくね…?」
元気……?
私でもわからないことを、南朋はすぐに気づいてくれる。
「なんかあったのか?」