爽やか系イケメンの本気。
そう心配してくる南朋に胸が締め付けられる。
……南朋は、本当に私のことばかり。
「……南朋はさ、」
「ん?」
「…私のことなんて気にせず、遊んできてもいいんだよ」
家のことばかりじゃなくても、いいの。
朝、桜に南朋が呼び出されてたと聞いた時からいつも以上に気になってしまって。
「…どうしたの美桜」
「…南朋は放課後とかいつも早く帰ってきてくれるけど、遊びたいなとか思わないの……?」
「……それは、」
「いつも私のこと考えてくれるのは嬉しいけど、南朋だってやりたいことやっていいんだよ」
こんなこと初めて言った。
南朋はあと高校生活1年しかないんだから。
家のことだって大変だけど、大変なだけで困るわけじゃない。
「…美桜。俺はね、美桜が心配で大切なめんどくさい兄なんだよ」
「めんどくさい兄……」
そこ拾わなくていいよ、と困ったように笑った南朋。
南朋は私の頭を撫でて、
「確かに友達とどっか寄り道とかしたいなとも思うけどさ。」