捨てられる前に、最後にひとつよろしくて?
捨ててください!!
*
決意を固めた私は殿下の前に立つと、揺るがない瞳で彼を見つめた。
欲望をそのまま口にした私の声が、二人きりの部屋に響く。
「殿下、貴方様の全てを見せて下さい」
「マ、マママママッ、マージュ?!!?!?!」
ソファーに殿下を押し倒して、そっと彼のシャツのボタンを一つずつ外していく。
緊張して僅かに震える手に活を入れて、私は全てのボタンを外したシャツを脱がすと、殿下の綺麗に引き締まった上半身が姿を現した。
「……っ!」
ドキン――。
殿下の上に跨ったままの私は、無意識に高鳴る鼓動と共に熱くほどばしる熱が全身を駆け巡っていく。
生まれて初めて見る男性の上半身を前に、私は完全にノックアウト状態だ。