【一気読み改訂版】黒煙のレクイエム
第40話
６月30日の昼前であった。
この日、午後のポポロのバイトはお休みであった。
アタシは、いよてつ電車に乗って田ノ窪駅まで行った。
あの時暮らしていた家がその後どうなったのか…
この目で確かめに行く。
ところ変わって、アタシがかつて暮らしていた家の近辺にて…
かつて暮らしていた新築の家のドアにはハウスドゥのプレートがついていた。
もしかしたら…
売り家になったかもしれない…
ものすごく気になったアタシは、通りかかった奥さまにたずねた。
「あのー…」
「はい？」
「ちょっとお聞きしたいことがありますが…ここの家のドアに…ハウスドゥのプレートがなんでついているのですか？」
「ああ、ここで暮らしていた家の主人がリースバックを利用したのよ。」
「リースバック？」
「だから、ここのご主人が家を売却したと言うことよ。」
「家を売却したって？」
「ただそれだけのことよ。」
奥さまは、ここで暮らしていたご主人がリースバックを利用したことをアタシに言うたが、それ以上のことは話さなかった。
その後、別の奥さまからとんでもない話を聞いた。
それによると、くたばったあいつの父親がよその家の未婚の娘さんに手をつけて妊娠させた…と言うことであった。
リースバックで得た大金は、くたばったあいつの父親のしりぬぐいをするための費用に使われたと思う。
アタシは、例の妊娠さわぎについて知りたいのであれば横河原《よこがわら》にある小さなクリニックに行けばわかると奥さまから聞いたあと、メモ書きを受け取った。
今から横河原《よこがわら》へ行ってみようか…
いや、きょうはやめておこう。
アタシは、このあと夕方５時までにファミマに入る予定があったので、またの機会に行くことにした。
次の日の朝９時頃であった。
この日は日中のバイトがお休みであった。
アタシは、いよてつ電車に乗って横河原《よこがわら》へ行った。
奥さまから聞いたレディースクリニックは、いよてつ横河原駅《よこがわらえき》から歩いてすぐのところにあった。
終点・横河原駅《よこがわらえき》で電車を降りたアタシは、改札口を通って外に出た。
駅を出てから40秒後に小さなレディースクリニックに到着した。
ところ変わって、小さなレディースクリニックにて…
アタシは、ここで働いている看護婦さんから事情を聞いた。
看護婦さんは、アタシにあいつの父親に犯された女性のことを話した。
「たしか…24歳くらいの女性だったかしら…職業は…ＪＡの職員さんだったと思う…」
「あの〜、問題の女性は…どなたと一緒にこちらにお越しになりましたか？」
「んーと…婚約者の男性と一緒でした。」
「婚約者？それは本当ですか？」
「ええ…たしか、胎内にいる赤ちゃんを中絶したいと言うてたけど…」
「中絶…」
「男性はソートー怒り狂っていたわよ…挙式披露宴が決まったと言うのに、よそのジジイにレイプされたことが原因で妊娠した…早いうちに中絶しないと間に合わない…と言うてました…その時、カノジョは妊娠４ヶ月と３週目でした。」
「そ、それで、その後どうなったのですか!?」
「うちは小さなクリニックだから、中絶手術ができないので、院長《せんせい》が美沢町《みさわまち》にある記念病院に電話してカノジョの中絶手術《ちゅうぜつ》をお願いしました。」
「記念病院…アタシ、そこへ行ってみます!!」
クリニックの看護婦さんからことの次第を聞いたアタシは、美沢町《みさわまち》にある松山記念病院へ向かった。
ところ変わって、美沢町《みさわまち》にある松山記念病院にて…
アタシは、産婦人科の主任の医師に会った。
アタシは、横河原《よこがわら》のクリニックの看護婦さんから聞いた話を医師に話した。
アタシの話を聞いた産婦人科の主任の医師は、ややけわしい声で言うた。
「話はひと通り聞いた…それで、あんたは私になにを聞こうとしているのかね？」
「その後、こちらで中絶手術が行われたかどうかが知りたいのです。」
「中絶手術は引き受けました…が…」
「引き受けました…が…って…あのー…もしかして…」
「途中で…断りました。」
「どうして？」
「中絶手術を受ける前に、あれこれと確認しなければならないのです…あの時は、女性患者さんが育てる意志がないとは言うてはったけど、もうひとつ問題があったのです。」
「その問題と言うのは…レイプした男のことでしょうか？」
「ええ…男の連絡先が分かるかどうかです…」
「連絡は取れたのですか？」
「取れました…しかし、その時に男の奥さまが電話に出られたので…」
「そこで騒ぎが起こった…と言うことでしょうか？」
「そう言うことになります。」
「それじゃあ…中絶手術は…」
「例の騒ぎが拡大したので、ややこしくなりましてね…結局、見送りました…あの、このあと午後の診察が始まるのでお引き取り下さいませ。」
産婦人科の主任の医師は、突き放すような声でアタシに言うたあと持ち場に戻った。
アタシが記念病院を出てから10分後であった。
赤茶色のバッグに入っているギャラクシー（スマホ）の電話の着信音が鳴った。
着信音は、チャイの歌で『あなたに恋をしてみました』のサビの部分である。
アタシは、バックからギャラクシーを取り出したあと電話に出た。
「もしもし…」
電話は、横河原《よこがわら》のレディースクリニックの看護婦さんからであった。
この時、アタシは問題の女性患者さんが中絶手術ができないことを苦に、国道11号線のバイパスの歩道橋から飛び降りて命を絶ったことを看護婦さんから聞いた。
「歩道橋から飛び降りた!?…ヤダ…どうして…」
看護婦さんから衝撃的な事実を聞いたアタシは、背筋が凍りついた。
ショーゲキ的な事実を聞いたアタシは、あいつらに対するうらみつらみをさらに強めた。
絶対に許さない…
あいつらの家の親類縁者は、ひとり残らず血の池地獄へ墜《お》として焼き殺してやる!!
この日、午後のポポロのバイトはお休みであった。
アタシは、いよてつ電車に乗って田ノ窪駅まで行った。
あの時暮らしていた家がその後どうなったのか…
この目で確かめに行く。
ところ変わって、アタシがかつて暮らしていた家の近辺にて…
かつて暮らしていた新築の家のドアにはハウスドゥのプレートがついていた。
もしかしたら…
売り家になったかもしれない…
ものすごく気になったアタシは、通りかかった奥さまにたずねた。
「あのー…」
「はい？」
「ちょっとお聞きしたいことがありますが…ここの家のドアに…ハウスドゥのプレートがなんでついているのですか？」
「ああ、ここで暮らしていた家の主人がリースバックを利用したのよ。」
「リースバック？」
「だから、ここのご主人が家を売却したと言うことよ。」
「家を売却したって？」
「ただそれだけのことよ。」
奥さまは、ここで暮らしていたご主人がリースバックを利用したことをアタシに言うたが、それ以上のことは話さなかった。
その後、別の奥さまからとんでもない話を聞いた。
それによると、くたばったあいつの父親がよその家の未婚の娘さんに手をつけて妊娠させた…と言うことであった。
リースバックで得た大金は、くたばったあいつの父親のしりぬぐいをするための費用に使われたと思う。
アタシは、例の妊娠さわぎについて知りたいのであれば横河原《よこがわら》にある小さなクリニックに行けばわかると奥さまから聞いたあと、メモ書きを受け取った。
今から横河原《よこがわら》へ行ってみようか…
いや、きょうはやめておこう。
アタシは、このあと夕方５時までにファミマに入る予定があったので、またの機会に行くことにした。
次の日の朝９時頃であった。
この日は日中のバイトがお休みであった。
アタシは、いよてつ電車に乗って横河原《よこがわら》へ行った。
奥さまから聞いたレディースクリニックは、いよてつ横河原駅《よこがわらえき》から歩いてすぐのところにあった。
終点・横河原駅《よこがわらえき》で電車を降りたアタシは、改札口を通って外に出た。
駅を出てから40秒後に小さなレディースクリニックに到着した。
ところ変わって、小さなレディースクリニックにて…
アタシは、ここで働いている看護婦さんから事情を聞いた。
看護婦さんは、アタシにあいつの父親に犯された女性のことを話した。
「たしか…24歳くらいの女性だったかしら…職業は…ＪＡの職員さんだったと思う…」
「あの〜、問題の女性は…どなたと一緒にこちらにお越しになりましたか？」
「んーと…婚約者の男性と一緒でした。」
「婚約者？それは本当ですか？」
「ええ…たしか、胎内にいる赤ちゃんを中絶したいと言うてたけど…」
「中絶…」
「男性はソートー怒り狂っていたわよ…挙式披露宴が決まったと言うのに、よそのジジイにレイプされたことが原因で妊娠した…早いうちに中絶しないと間に合わない…と言うてました…その時、カノジョは妊娠４ヶ月と３週目でした。」
「そ、それで、その後どうなったのですか!?」
「うちは小さなクリニックだから、中絶手術ができないので、院長《せんせい》が美沢町《みさわまち》にある記念病院に電話してカノジョの中絶手術《ちゅうぜつ》をお願いしました。」
「記念病院…アタシ、そこへ行ってみます!!」
クリニックの看護婦さんからことの次第を聞いたアタシは、美沢町《みさわまち》にある松山記念病院へ向かった。
ところ変わって、美沢町《みさわまち》にある松山記念病院にて…
アタシは、産婦人科の主任の医師に会った。
アタシは、横河原《よこがわら》のクリニックの看護婦さんから聞いた話を医師に話した。
アタシの話を聞いた産婦人科の主任の医師は、ややけわしい声で言うた。
「話はひと通り聞いた…それで、あんたは私になにを聞こうとしているのかね？」
「その後、こちらで中絶手術が行われたかどうかが知りたいのです。」
「中絶手術は引き受けました…が…」
「引き受けました…が…って…あのー…もしかして…」
「途中で…断りました。」
「どうして？」
「中絶手術を受ける前に、あれこれと確認しなければならないのです…あの時は、女性患者さんが育てる意志がないとは言うてはったけど、もうひとつ問題があったのです。」
「その問題と言うのは…レイプした男のことでしょうか？」
「ええ…男の連絡先が分かるかどうかです…」
「連絡は取れたのですか？」
「取れました…しかし、その時に男の奥さまが電話に出られたので…」
「そこで騒ぎが起こった…と言うことでしょうか？」
「そう言うことになります。」
「それじゃあ…中絶手術は…」
「例の騒ぎが拡大したので、ややこしくなりましてね…結局、見送りました…あの、このあと午後の診察が始まるのでお引き取り下さいませ。」
産婦人科の主任の医師は、突き放すような声でアタシに言うたあと持ち場に戻った。
アタシが記念病院を出てから10分後であった。
赤茶色のバッグに入っているギャラクシー（スマホ）の電話の着信音が鳴った。
着信音は、チャイの歌で『あなたに恋をしてみました』のサビの部分である。
アタシは、バックからギャラクシーを取り出したあと電話に出た。
「もしもし…」
電話は、横河原《よこがわら》のレディースクリニックの看護婦さんからであった。
この時、アタシは問題の女性患者さんが中絶手術ができないことを苦に、国道11号線のバイパスの歩道橋から飛び降りて命を絶ったことを看護婦さんから聞いた。
「歩道橋から飛び降りた!?…ヤダ…どうして…」
看護婦さんから衝撃的な事実を聞いたアタシは、背筋が凍りついた。
ショーゲキ的な事実を聞いたアタシは、あいつらに対するうらみつらみをさらに強めた。
絶対に許さない…
あいつらの家の親類縁者は、ひとり残らず血の池地獄へ墜《お》として焼き殺してやる!!
