【一気読み改訂版】黒煙のレクイエム
第44話
さて、その頃であった。

この日は、午前中のNTT病院のバイトがお休みであった。

ファミマのバイトを終えたアタシは、いよてつ松山市駅のバスターミナルから新居浜行きの特急バスに乗って、西条市へ遠出した。

西条登道のバス停(西条市図書館の近く)でバスを降りたアタシは、市役所へ通じる通りをゆっくりと散策した。

ところ変わって、市役所の近くにある小さな公園にて…

ベンチに座っているアタシは、赤茶色のバッグの中からギャラクシーを取り出して、ラインが来ていないかどうか調べた。

調べ終えたあと、バッグの中にスマホをしまった。

その後、アタシはぼんやりと公園の周囲を見渡した。

この時、婚姻届けを提出したあとしあわせイッパイの表情で市役所から出たカップルさんを見た。

しあわせイッパイのカップルさんを見たアタシは、顔が曇った。

アタシは…

どうして、くじ運が悪いのかな…

どうして、アタシは…

離婚と再婚を繰り返すようになったのかな…

アタシは、顔を下に向けた状態でくすんくすんと泣いた。

その後、アタシは赤茶色のバッグを持って、市役所の近くにある小さな公園からバイパスにつながる道へ向かって歩いた。

そんな時であった。

アタシのギャラクシーにスマホの着信音がなったので、近くにあるバス停のベンチに座った。

ベンチに座ったアタシは、バックの中からギャラクシーを取り出したあとメールをひらいた。

メールは、横河原《よこがわら》のレディースクリニックに勤務している看護婦さんからであった。

それによると、嫂《おねえ》が愛結び(愛媛県のお見合い事業)で他の男と深刻なトラブルを起こしていたことが明らかになった…と書かれていた。

思わぬ情報を手に入れたアタシは、愛結びの事務所へ行くことにした。

ところ変わって、愛結びの事務所にて…

アタシは愛結びのスタッフさんに会員さん同士で発生したもめ事の事案が知りたいと言うた。

スタッフさんは『守秘義務があるので第三者にお話しすることはできません…』と言うた。

アタシは、スタッフさんに対して『以前うちの弟が愛結びで結婚相手を探していたのです…その時に(まさよしの嫁さん)に強請《ゆす》られた…』とウソの理由を言うた。

そしたら、スタッフさんはアタシの要求に応じた。

ところ変わって、別室にて…

アタシは、会員さん同士で起こったトラブルが書かれている書面が保存されているファイルを閲覧した。

その時であった。

嫂《おねえ》がかつて付き合っていた会員さんの男性数人に対して送金を強要していたことを知った。

会員さんの男性数人は、嫂《おねえ》の要求を断った。

断られた嫂《おねえ》は、予めひかえていた会員さんの男性の名前とケータイの電話番号に電話をかけてカネをたかった。

それを知ったアタシは、背筋が凍りついた。

エグい…

嫂《おねえ》は、アタシに送金を断られたから…

愛結びの男性会員さんからカネを強請《ゆす》っていた…

嫂《おねえ》は、なんでエグいことしたのよ…

ものすごく恐い…

アタシは、嫂《おねえ》のことが知りたくなったので、再び今治市へ行くことにした。

時は、夜10時過ぎであった。

またところ変わって、共栄町の酒場街にて…

アタシは、嫂《おねえ》を知っているヤクザの男と会った。

ヤクザの男は、嫂《おねえ》のひめごとをアタシに全部話した。

(ヤクザの男がアタシに嫂《おねえ》のひめごとを話したが、話の内容はものすごくえげつない表現…または、それを通り越していた想う…だからここで、お話をすることはできません…)

ヤクザの男から話を聞いたアタシは、嫂《おねえ》を知っている男を手当たり次第に探した。

その時であった。

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

森見公園の方で、恐ろしい女性の叫び声が聞こえた。

アタシは、大急ぎで公園に向かった。

アタシが森見公園に着いた時であった。

アタシは周囲をキョロキョロと見た渡しながら公園内を歩いた。

どこ…

どこで叫び声が聞こえたの…

しばらくして…

「イヤー!!やめて!!」

近くで女性の叫び声を聞いたアタシは、叫び声が聞こえた場所に恐る恐る近づいた。

その時であった。

遊歩道の脇の方で肌色のストッキングが落ちていたのをアタシは見た。

まさか…

さらに現場の30メートル手前に接近した時であった。

アタシは、ものすごくを恐ろしい光景を目撃した。

「イヤ!!助けて…まさよしさん助けて…」

この時、嫂《おねえ》がゾンビの覆面をかぶった男ふたりに押さえつけられて寝かされた状態でシツヨウに犯されていた。

「やめて…やめて…イヤ、やめて…イヤー!!」

(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!ブチッ!!)

嫂《おねえ》は、覆面をかぶっている男にブラウスを思い切り破られた後、下に着けていた白のデイジーのケミカルレースのブラジャーをちぎられた。

アタシは、危険を避けるために現場から50メートル離れた茂みに隠れた。

しかし…

「イヤ!!イヤ!!やめて…助けてまさよしさん!!イヤー!!イヤー!!」

嫂《おねえ》の恐ろしい叫び声が公園一帯に響いたので、アタシはさらに怖くなった。

それから2時間後であった。

男たちはヘラヘラした声で『メシ食いに行こうぜ。』と言うて現場をあとにした。

男たちが立ち去った後、アタシは再び現場に近づいてみた。

そしたら…

嫂《おねえ》が、ドロでグシャグシャに汚れてボロボロに傷ついた状態で死んでいた。

何百倍の恐怖を目の当たりにしたアタシは、震えまくった。

アタシは、大急ぎで公園の近くにある交番へ行った。

この時、交番のおまわりさんは居眠りしていたので話にならなかった。

居眠りしていたおまわりさんが事件発生に気がついたのは、愛媛県警《けんけい》の刑事たちが現場検証をしていた明け方頃であった。

居眠りしていた交番のおわまりさんは、この時キョトンとした表情を浮かべていた。

その頃、アタシは始発の松山市駅行きの特急バスに乗っていた。

アタシは、バスに乗っている間も震えまくっていた。
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