【一気読み改訂版】黒煙のレクイエム

第46話

４度目のダンナの家をほろぼしたアタシは、つばきちゃんがいる北海道を目指して再び旅に出た。

アタシは、この５年の間に倉敷→岡山→姫路→神戸→大阪→京都→彦根→米原→大垣→岐阜→名古屋と各地を転々とした。

そんな中でアタシは、2025年３月末頃にトラブルを起こした。

アタシは、名古屋栄《さかえ》のナイトクラブでホステスをしていた時に男性客とトラブった。

その末に、集団レイプの被害を受けた。

この時、アタシは出入りしていたホストクラブのナンバーワンホストに手を出して私物化した…

私物化したホストから金品を大量にしぼりとるなどして金を得ていた。

悪いことをしたアタシは、高い代償《コースト》を払うことになった。

そんなキュウチを救ってくださったのは、春日井市の大留町《おおどめちょう》で運送請け負い会社を経営している男性であった。

経営者の男性は、アタシに知り合いの弁護士さんを紹介してくださった後、アタシが抱えていた借金の清算やホストクラブの店長さんとのジダン交渉などで間に入ってくださった。

約２ヶ月かかって、アタシが抱えていた借金と男がらみのトラブルの問題は解決した。

この時、弁護士さんはアタシに対して『大留町《おおどめちょう》の運送請け負い会社のダンナに恩返しをするために長男と結婚をしてやり直せ!!』とどぎつい声で言うた。

仕方がないので、アタシはまた再婚をすることになった。

2025年５月中旬頃であった。

弁護士さんからの命令で、アタシは運送請け負い会社を経営している男性の長男・ひろゆきさん(34歳・工場勤務)と再婚した。

頭の中で大混乱を起こしたアタシは『もう再婚はイヤ…』と言うて悲鳴をあげた。

あいつ（ひろゆきさんのことはあいつと表記する）の家の家族は祖父と両親とお姉さんのひさよ(36歳)と弟のひろのり(26歳・会社員)とアタシとあいつの７人であった。

アタシがあいつと再婚した時、義弟（ひろのりは義弟と表記する）は合宿免許で北海道にいたので、自宅に不在だった。

家庭内では、一番上の姉のまさよの結婚問題が深刻になっていた。

義姉（まさよは、義姉と表記する）は、結婚のことをめぐって義父母と深刻な対立を起こした後、家出した。

その後、街角で行きずりの男を手当たり次第に逆ナンした。

その勢いで、義姉は逆ナンした男と同棲生活を始めた。

それで家からカンドーされた。

あいつとアタシは、そんな中で再婚したが婚姻届は出さなかった。

時は、2025年６月の第２週に入った頃であった。

合宿免許で北海道にいる義弟は、ものすごく苦しんでいた。

義弟は、合宿免許のセンターに申し込んだ時に東海地方の教習所を希望したのに、センターの都合で北海道・道北地方の小さな町の教習所に行かされた。

空きがなかったので、仕方なく北海道の指定された教習所に行った…

運転免許を取得するために一生懸命にがんばっていたのに、そこで孤立した。

義弟は、宿舎を無断で抜け出して外へ酒をのみに行くことを繰り返すようになった。

次第に、義弟は交通安全に対する自覚を完全に喪《な》くした。

その結果、取り返しのつかない事件を起こした。

2025年６月10日の夜…

北海道《どうない》で交通死亡事故が発生した。

この時、５番目の悲劇が始まりをつげた。