【一気読み改訂版】黒煙のレクイエム
第81話
11月19日の朝9時に5分ほど前のことであった。

場所は、あいつが勤務していたJFの支所にて…

朝のしょっぱなから、吉浜さんの怒鳴り声が響いた。

吉浜さんは、よりし烈な声で従業員さんたちを怒鳴りつけた。

「オドレらふざけるなよ!金庫の中にあった総額は900万円のカネをドロボーしたやつはだれだ!?オドレらまさか…借金の返済に困っていたから現金を抜き取ったのか!?それとも、好きな男を助けるためにカネをあげたのか!?分かった!!もしかしたら…ちづるさんの結婚が決まったことを妬《ねた》んでいたのか!?それか、オドレらのきょうだいの結婚が決まったら男を利用して妨害したあと、男に払う礼金に使ったのか!?」
「支所長!!あんまりです!!」
「何やオドレら!!従業員のくせしてナマイキだゾ!!金庫の中にあった現金と預金通帳がなくなった分は、オドレらの今月分支給のお給料から天引きで弁償してもらうぞ!!そのつもりでおれ!!分かっていたら持ち場へつけ!!返事しろ!!返事しろと言うのが聞こえないのかボケ従業員!!」
「はいと言えばいいのでしょ…持ち場へつくわよ…」

従業員のみなさんは、ものすごく怒った表情で持ち場へついた。

吉浜さんは、気に入らない従業員さん数人を殴りつけたあと事務所から出て行った。

ところ変わって、喫煙所にて…

思い切りブチ切れた吉浜さんは、口に15本のたばこをくわえてやけ吸いをした。

この時、来客が来ているので支所長室に戻るようにと言う連絡が入った。

吉浜さんは『待てや!!』と怒ったあとやけ吸いをつづけた。

ところ変わって、支所長室にて…

支所長室のソファに、アタシが座っていた。

アタシは、ブラウンの短めのリブTシャツでへそ出しの上から白のジャケットをはおっていて、下は白のボブソンのデニムパンツをはいている姿であった。

アタシは、向かいに座っている吉浜さんに対してあいつのことでジカダンパンに来たと言うたあと怒った声で言うた。

「あのね!!アタシ、きょうはブルーデーで思い切りイラついているのよ!!だから早くけりつけたいのよ!!」
「あの〜…きよひこさんの奥さま…ですね~」
「アタシは、ゲジゲジ野郎のあいつとは離婚したわよ!!」
「離婚?」
「(気だるい声で)文句あんの!?…それよりも、アタシはやる気のないクソバカの雇用契約の解除をたのみに来たのよ!!」
「(すっとんきょうな声で)雇用契約を解除しろって!?」
「ふざけるな!!よくもアタシにイチャモンつけたわね!!」
「イチャモンつけてませんよ〜」
「ますますはぐいたらしいわねクソバカジジイ!!あんたは勤務態度が悪い大バカ従業員のクビをなんで斬《き》らないのよ!!」
「おっ、奥さま…あの…あの…」
「アタシは、あいつの妻をやめた女よ!!勤務態度が悪いあいつのクビを斬《き》れと言うたら斬《き》りなさいよ!!」
「クビにしたいけど…できん…」
「ふざけるな!!虫ケラゲジゲジ野郎のクビを斬《き》れと言うてるのに、なんで拒否するのよ!!」
「だから…やっ、や、や、や、や、や、や、や、や、や、や、や、や、や、や、や、や、や、や、や…」
「どもるな!!要するに、あんたは男の約束が大事だからゲジゲジ野郎のクビを斬《き》れないと言いたいのでしょ!!」
「ですから…き、き、き、き、き、き…」
「どもるな!!あんたは虫ケラゲジゲジ野郎のミミズオヤジとどんなヤクソクを交わしたのよ!?」
「ヤクソクはあった…」
「あんたひょっとして、ミミズオヤジからカネを借りていたのじゃないの!?」
「借金はしていないよ…私が中学の時、いじめられていたのだよ…その時にきよひこさんのおとーさんが助けてくださったのだよ…助けてくださった恩をまだ返していないのだよ…」
「ふざけるな!!」

(グサッ!!)

「ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」

思い切りブチ切れたアタシは、刃渡りのするどいナイフでテーブルを刺した。

吉浜さんは、ひどくおびえまくった。

つづいて、アタシはドスで吉浜さんをイカクしながら言うた。

「いじめられていたところを助けていただいたから虫ケラゲジゲジ野郎をJFに就職させたのね!!アタシ、そう言うのは頭に来るのよ!!今すぐにあいつの雇用契約を海事してよ!!」
「だから…きよひこさんのおとーさんに恩返しができてないんだよ…他にも…きよひこさんからカネを借りているんだよ…」
「ふざけるな!!よくもアタシにイチャモンつけたわね!!今すぐに指をつめなさい!!」
「ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィ〜」

アタシは吉浜さんにあいつの雇用契約を解除してほしいと申し出たが、吉浜さんが『イヤだ…』と拒否したので、アタシは『指をつめろ!!』とおどした。

吉浜さんは、アタシの脅しに屈する形で左の小指をドスでつめた。

この時、アタシの怒りは最高潮に達する一歩手前におちいった。
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