【一気読み改訂版】黒煙のレクイエム
第85話
それから数日後の11月30日のことであった。

つばきちゃんは、アタシの言う通りに義兄《おにい》の生命保険の証書を保険屋さんに持って、保険金を受け取った。

そして、借金を清算《かんさい》した。

しかし…

つばきちゃんがまたアタシに助けを求めてきた。

時は、朝7時半頃だった。

場所は、中心地にある均当台公園にて…

アタシは、公園内の園路をのんびりと歩いていた。

その時、泣きそうな顔をしていたつばきちゃんと会った。

つばきちゃんは、アタシに対して『今度はホストの借金の保証人にされた…』と言うて助けを求めた。

アタシは、ものすごくあつかましい声でつばきちゃんに言うた。

「ホストの借金保証人になった…どうして次から次へとメーワクかけるのよ!!つばきちゃん!!」
「こずえちゃん…怒んないでよぅ〜」
「つばきちゃん!!あんたはどうしてホストの借金の保証人を引き受けたのよ!?」
「アタシは断ったわよ!!…だけど…ホステスのCちゃんにアタシが保険金を使って借金を返したところを見られたのよ。」
「それでつばきちゃんはホストクラブへつれて行かれたのね。」
「うん。」
「そのホストは、Cちゃんのカレよね。」
「そうよ…」
「何であんたは、人のカレシの借金の保証人を引き受けたのよ!?」
「アタシはあの時、アパートに帰ろうとしたのよ…そしたらCちゃんがやって来たのよ!!…Cちゃんはアタシにしみじみとした顔で『アヤカリたい…』などとわけの分からないことを言うたのよ!!」
「もう分かったわよ!!そこから先は言わなくても分かるわよ!!その後あんたは、ホストクラブへ連れて行かれたのね!!それで借金の保証人を引き受けたのね!!」

アタシに怒鳴られたつばきちゃんは、ビービービービーと泣き出した。

つばきちゃんは、ビービービービー泣きながらアタシに言うた。

「アタシは…断ったわよ…だけどCちゃんは…アタシにこう言うたの…『あの時、あんたがいじめられていた時に助けたのはアタシよ…』って…ビービービービービービービービービービービービービービー…」

アタシは、ものすごく怒った声でつばきちゃんに言うた。

「ビービービービー泣かないでよ!!思い切りイラつくのよ!!」

アタシは、よりし烈な怒りをつばきちゃんにぶつけたあと公園から出た。

つばきちゃんは、ビービービービー泣きまくった。

つばきちゃんは甘ったれているわよ!!

アタシがやさしいからなんでもしてもらえると思ったら大まちがいよ!!

ドサイアクだわ!!

長い間仲良しだったつばきちゃんもうらみつらみの対象になった…

これからどうすればいいのか…

分からない…
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