クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
11.前進する恋心
――side.Suika
あたし、華村翠夏はかわいい。
美少女という言葉がとっても似合う。
よく言われるけど、あざとい。
でも、あたしにとってあざといは武器であり、コミニュケーションの手段でもある。
それをどう思われようが、知ったことではない。
恋愛は早いもの勝ちで動いたもの勝ち、そして何よりかわいいもの勝ち。
そんなあたしが、手を焼いているのが片想い相手の住江緋色。
そもそもこんな地味なかるたヲタク、全然タイプじゃない!
なのにいつの間にか緋色ばっかり見てる自分に気づいて……いつの間にか恋に落ちていた。
だけど、緋色の前ではかわいくなれない。
ムカつくことに、緋色はあたしのあざとさが通用しない。
元々緋色なんて眼中になかったし、どう思われてもよかったから、今更緋色の前でかわいくする方法がわからなくて……。
せっかく勉強を教えてくれることになっても、喧嘩になっちゃうし……!!
それに、緋色が別の子を気になり出してるのも気づいてた。
いつも見てるから、気づいちゃうんだよ。
しかもさ、なんでよりにもよって、あたしの友達なんだろうね?