クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
* * *
「ところでさ〜、咲玖ちゃんたちってどこまで進んでるの?」
今日は翠夏ちゃん、朱莉ちゃんとお買い物に来てる。
修学旅行で必要なものの買い出しと、朱莉ちゃんともっと親交を深めよう!ってことで。
「どこ、って……?」
「Hした?」
「っっ!?!?」
思わずグレープフルーツジュースを吹き出しそうになる。
「ほほう?その手の話は気になるな」
朱莉ちゃんはクイッとメガネを上げた。
気のせいとは思うけど、メガネがキラッと光ったような気がする。
「あっもしかして、もうしちゃってる??」
「し、してないよっ!」
「嘘だ〜。同棲してる許嫁と何もないわけないじゃん」
「同棲してる許嫁とは」
「あっ実はね〜」
翠夏ちゃんが説明すると、ますます朱莉ちゃんの目の色が変わる。
「生まれた時から許嫁で今は同棲中か!いいな!いい漫画が描けそうだ!」
「だよね〜。で?実際はどうなの??」
二人で盛り上がってるとこ、申し訳ないのですが……
「本当にまだです……」
「えーー!?なんで!?」
「だって……」
恥ずかしいし、勇気が出せないんだもん…!
未だに蒼永に触れられてビクッとしちゃうし。
もちろん、したくないってわけではないんだけど……
「なんか、タイミングもわからなくて……」