クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


* * *


「ところでさ〜、咲玖ちゃんたちってどこまで進んでるの?」


今日は翠夏ちゃん、朱莉ちゃんとお買い物に来てる。
修学旅行で必要なものの買い出しと、朱莉ちゃんともっと親交を深めよう!ってことで。


「どこ、って……?」

「Hした?」

「っっ!?!?」


思わずグレープフルーツジュースを吹き出しそうになる。


「ほほう?その手の話は気になるな」


朱莉ちゃんはクイッとメガネを上げた。
気のせいとは思うけど、メガネがキラッと光ったような気がする。


「あっもしかして、もうしちゃってる??」

「し、してないよっ!」

「嘘だ〜。同棲してる許嫁と何もないわけないじゃん」

「同棲してる許嫁とは」

「あっ実はね〜」


翠夏ちゃんが説明すると、ますます朱莉ちゃんの目の色が変わる。


「生まれた時から許嫁で今は同棲中か!いいな!いい漫画が描けそうだ!」

「だよね〜。で?実際はどうなの??」


二人で盛り上がってるとこ、申し訳ないのですが……


「本当にまだです……」

「えーー!?なんで!?」

「だって……」


恥ずかしいし、勇気が出せないんだもん…!
未だに蒼永に触れられてビクッとしちゃうし。

もちろん、したくないってわけではないんだけど……


「なんか、タイミングもわからなくて……」


< 119 / 200 >

この作品をシェア

pagetop